心と体

栗本薫先生の訃報を聞いて

大変ショックです。心よりお悔やみ申し上げます。

思えば、今となっては空気のような量子力学に惹かれたきっかけも、中学時代読んだ「僕らの時代」シリーズで名探偵の謎の台詞「好奇心、猫を殺す」が気になったサブリミナル効果からだったのかもしれません。「魔界水滸伝」も「伊集院大介」シリーズも好きでした。「グイン・サーガ」は初めの10巻くらいしか読んでいませんが、後書きが印象に残っています。中学生の頃、古典文学全集や教科書よりは栗本先生の作品に、心の核に近い部分を育てられた気がします。

とりわけ悲しいのは、このように好きな作家でありながら、中学生の頃ただ一度伺った、サイン会のときしか売り上げには貢献できなかったことかもしれません。専門の理工系書籍は数式や証明を追わなければならないので、小説を読むよりは数十倍の時間がかかります。ですが小説や雑誌は、図書館で2週間の貸し出し期間があれば、あるいは館内でその場で、読めてしまうので、自分で買ったことはあまりないのです。

似たことは、「ブルーバックス」シリーズについても言えます。私はこのシリーズの多くを、高校の図書館で借り、電車の中や家で読みましたが、買った事はありません。内容は気軽にさらさら読めて、それまでの世界観を変えるようなものなので頭に残っても、著者名は忘れてしまいがちです。このシリーズで何冊かを書いてご活躍されたらしい「都筑卓司」先生の訃報を見たときも、悲しかったです。また一人、大切な人がお礼を伝える前にいなくなってしまいました。人生の糧となるような内容ですが、結局、本でしか出合えなかった人達。青春をともに過ごした S.Weinberg も、もしかしたら本を通じただけの関係になってしまうのかと、今から心配でなりません。

もちろん、大学からは教科書を自分で買うようになったのですが、図書館での著作権というのはどうなっているのでしょう?借りた人の人数に合わせて適切に印税が分配されるような仕組みがあれば良いのですが。しかし中・高校時代に図書館で読んだ本に学んだ科学的常識のほうが、大学院で権威ある教授達が宣伝する、誤っていそうな研究よりまともだなんて、読んだ当時は思いもしませんでした。自分の作り出した空虚な理論を宣伝し、その中で閉じている、奇妙な世界・・・。そんな大学院もあったとは。

ところで、わずかな経験上、がんに若くしてなるというのは、なぜか優しい人が多いようにも思います。私が知っている人でがんになったのは、皆特別なほど親切で、八つ当たりしたりしない、優しい人達でした。もしかしたら、病魔にさえ優しくなりすぎてしまったからがんになってしまったのでは、とすら思います。だから人間、優しすぎるのも問題で、少しは愚痴でも言ってストレス発散するほうが、幸せに生きられるのでは、とも思います。がんではなかったと思いますが、ある種の病気には、罹りやすい性格が知られているそうです。オカルトに興味はありませんが、拙い専門外の知識によれば、免疫というのは胸腺というスパルタ教育機関で育てられるそうですし、心も影響するのでは、と思います。どこまで科学的に解明されているのでしょうか、知りたいものです。

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「東大女院生怪死事件」日記にびっくり

 今日のブログは深刻な内容を含みますので、うつ病歴のある方、未成年の方、気分の不安定な方などはすみませんが本文をご覧にならずお戻りください。

長生きしてくださいね!


 おそらくは自殺した元同級生、横田雪瑛さんについて。
私は「週間文春」2007年6月14日号の記事を見ましたが、「迷彩色のTシャツを着て死んでいた」なんて、普段のイメージと違う内容で、訳のわからないことだらけでした。なぜ10年近く経った今ごろ掲載されるのかも。割と近い立場ではあったはずなのに、研究室でも一日中誰とも話さないことの多かった私は、台湾出身なことも知らなくて、お通夜のとき初めて、別人のような名前が併記されているのを見て驚きました。

 ところが数日前、久しぶりに検索したところ、前はなかったと思う別人の「黄蘭雅」さんのほか、解説サイトを発見しました。

 問題とされている「Aの電子日記」は、私には、単に偏微分方程式を数値計算で解く際に、境界条件がどう伝わっていくかを議論しただけにも見えます。「R」は、何か固有の束縛条件でしょうか?彼女の指導教官は、係数が打ち消すことを「みんな死んでくれて嬉しいな」とか物騒な表現をしていました。死刑判決を受けて裁判中の先輩もいるのに。

 この、解説サイト自体、よく読むと矛盾だらけです。「私たちは彼女が黄蘭雅と名乗っていた頃の知人」と複数の著者で書いたかのようにも見えれば、「私と蘭雅さんとの最後の会話は、彼女の知力への嫉妬だった。」とも言い、全般的に盛んに東大の学生を非難する一方で、「本事件で多くの東大関係者が蘭雅さんの両親をサポートしている。」と、内部者が取り繕っているようにも見えます。

 そういうあなたは、いったい誰なんですか・・・?名乗りもしないで、気味悪い。私は週刊誌の記事やこのサイトで、彼女について何も理解していなかったことにショックを受けました。私の知っている彼女は、確かにセミナーで「音が響いて聞こえません」などと言っていました。過労気味の状態で、最後のセミナーでも「フラフラになりながら発表していた」と、欠席した私は後で他の学生から聞きました。何か協力できることがあれば、今も私の知る限りのこと(彼女との会話は5回くらいしかなかったようにも思いますが)をお伝えする心積もりはありますが、聞かれたことはありません。

 でも、このサイトには、連絡先も書いてない。彼女のことは冗談ではない本当の現実です。私は、知人のお通夜に出るのはこのときが初めてでした。失礼な振る舞いでご遺族の気分を害したかも、出なければ良かったかも、とは思いますが、死因についてはその後5年間、口に出すのもためらわれて誰にも聞けませんでした。結局彼女の指導教官に聞いたのですが、そのとき「なくなったのは、お通夜の連絡があった8月4日だ。前も自殺未遂したことがあったほど交際相手が悪い人で、ご遺族は今も怒っている」などと言われました。でも、週刊誌やサイトには「8月1日」とあります。

 私もお通夜の後、唖然として、見慣れない名前「ranga」等でWeb検索しましたが、かかったのは、恒例の「三者若手夏の学校」での食事予約メールくらい。幹事をしていた駒場の学生宛だったと思います。ところが、私は夏の学校で、彼女を見かけませんでした。どうなっているのでしょう?

 彼女は過労気味に見えましたが、「人を罵倒する」ほど感情的になったところは見たことがありません。感情って、親しくなければあまり見せないものですよね。ならば、あなたは誰なんですか。サイトの本文からは、彼女の交友関係にだらしない人が多かったようにも見え、まるで彼女や東大生一般を、侮辱する目的でもあるかのように見えてしまいます。

 6月頃か、「ノートPCを盗まれた」と言ってはいましたが、普通に不可解で困惑している口調で、心当たりがあるようにも、「殴られた」とも聞いていません(プライバシーだから?)。そもそも、どうやったら週刊誌の記事になるのか。個人情報が多いから、ご遺族の希望なんでしょうけれど...?投稿でもされたのでしょうか。 雑誌163頁の写真は確かに彼女ですが、162頁はわかりません。プリクラでハートをつけて撮るなんて、高校生のようで少し幼い行為にも見えますので、私の印象とは少し違うかも。1回だけ、真っ赤なドレスを着てきたので驚いたことはありますが、そのとき聞いたのは、「指導教官に2時間みっちり教えてもらった」だったような気がします。

 最後に。今更関係がないのに、このように、読んでて気分が悪くなり、私自身の評判も悪くなりそうなことをわざわざ書いたのは、主観的で取り立てて言うことではないかもしれませんが、私の記憶する範囲では事実で、かつ、私以外の誰も言わないようだからです。数学科は同学年に女子0人でしたが、その特殊な立場を考慮した記事は見られませんでした。2004年頃まで(もしかしたら今もかも?助教授は昇進を考えたら自由な発言もできない弱い立場でしょうし)物理学科に女性教授は一人もおらず、相談しようにも、セクハラ対策委員はその、指導責任のある女子学生が自殺したような教授だったのです。私に信頼できる相談相手はいないまま、他学科のあるいは新任で事情を良く知らない教授方により、アカデミックハラスメント調査が進められました。偏見がない点は良かったのかもしれませんが、報告書は横田さんについても、超対称性理論の怪しさについても全く触れず(知らなかったのでしょう)、教授達をかばうような内容でした。
2度とこのような被害者が出ませんように!

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社会人になれたかな?

今年の年賀状の返信は、母の病状が心配なので出しそびれてしまったんです。でも、今はいちおう元気にしているので、安心して書いております。言い訳になりますが、親類の冠婚葬祭、墓参りの類には一度も出席したことがありません。経験が浅いため、悪気が無くても失礼な振る舞いをしてしまうことはありえます。大目に見ていただけたらと思います。私の幸運なところ

1.直接お話した先生が、その半年後くらいにノーベル賞を受賞した。

2.お見舞いに行く機会はほとんど無かったが、見舞ったことのある人はまだみな生きている、筈(※)

ですが、やはりこの幸運が続いている間にもっと多くの人と話すべきだったか?でも私自身は一緒にいても楽しい気分にさせるような人物ではなく、傍若無人でそれ故に嫌われたり、いじめられがちなんですよね。生まれつきの性格だと思います。大学院の件で被害妄想までひどくなりました。狂人には慣れています。

(※)知人に亡くなった人も何人かいるが、そもそも病気だったことを知らなかったり、しばらく見ないうちだった、という意味です。

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